パエストゥム アルカイック期の3つの神殿
『世界美術大全集3』は、ギリシア人が南イタリアに建設した植民都市ポセイドニア(現パエストゥム)には、前6世紀半ばから前5世紀中頃にかけて建設されたドーリス式神殿が3棟残っているという。その細部を時代順に見ていくと、外観第1ヘラ神殿(通称バシリカ) 前540年頃(パエストゥムで最古) 床面長さ54.27m 貝殻石灰岩南の神殿は長辺の円柱が18本で短辺のちょうど2倍。アテナ(ケレス)神殿 前510年頃...
View Articleパエストゥム国立考古学博物館 画室墓
ギリシア人がポセイドニアという植民都市を築いた後、パエストゥムにはルカニア人たちが暮らしていたことがわかるのは、その墓室画によってである。その墓室画は国立考古学博物館に多数展示されていた。『世界美術大全集4』は、ナポリの南約80㎞に位置するパエストゥムは、さらにその南のイオニア海沿岸のギリシア植民市シュバリスがテュレニア海側に通商路網を広げるために前7、6世紀頃建設した都市だった。ポセイドニア(ポセ...
View Articleポンペイ 「貝の中のウェヌス」のある家
「貝の中のウェヌス」のある家(Casa della Venere in Conchiglia)『完全復元 2000年前の古代都市 ポンペイ』は、「貝の中のウェヌス」のある家という名前は、庭の南の壁をかざる大きなフレスコ画にちなんでいるという。平面図(同書より)A:玄関ホール B:アトリウム C:寝室 D:トリクリニウム(食堂)E:執務室 F:列柱廊 G:寝室 H:居間 I広い客間 J:作業室A...
View Articleポンペイ ファウノの家
オノラリオのアーチ(Arco Onorario)から出てフォルトゥナ通り(Via della Fortuna)を東に行くと、B:玄関ホールだけが残っている邸宅跡があった。これがファウノの家(Casa del Fauno)だった。平面図(『完全復元2000年前の古代都市ポンペイ』より)A:店舗 B:玄関ホール C:アトリウム D:雨水だめ E:寝室 F:執務室 G:待合室 H:ひかえの間 I:居間...
View Articleポンペイ 泉水のある家が気になる
色石による舗床モザイクも好きだが、ガラス・モザイクも気になる。いつから金箔ガラスが使われるようになったかが知りたい。小泉水のある家A:玄関ホール D:執務室 E:列柱廊...
View Articleエルコラーノ 板仕切りの家
板仕切りの家(Casa del tramezzo di legno)を『THE EXCAVATIONS OF HERCLANEUM』の地図で見ても、どこまでがこの邸宅の範囲かはよくわからない。㊱の右側の扉口から入っていく。丸太の梁を並べた平天井。両側の壁はフレスコ画が描かれていた痕跡がある。アトリウムの向こうの黒い間仕切りが当時の物。『THE EXCAVATIONS]OF...
View Articleエルコラーノ サムニテスの家
㉛サムニテスの家(Casa Sannitica)はデクマノ・インフェリオーレとカルドⅣの交差点にある。カルドⅣの入口から入ると鱗形の舗床モザイク、そして、狭い通路の両側に第1様式の壁画が出迎えてくれた。『THE EXCAVATIONS OF...
View Articleエルコラーノ ネプチューンとアンフィトリテの家
㉙ネプチューンとアンフィトリテの家(Casa di Nettuno e Anfitrite)『THE EXCAVATIONS OF...
View Articleエルコラーノ アウグストゥス崇拝殿
㉔アウグストゥス崇拝殿(Collegio degli Augstali)説明パネルユリウス・カエサルとアウグストゥスを神格化し、2人の像を安置した崇拝殿。入るとまず明るい方に目が向く。やはり㉛サムニテスの家のように、上の壁四面に装飾的な柵を埋め込んである。しかも木材で。『THE EXCAVATIONS OF...
View Articleエトルリアの墓さまざま
タルクィニアのモンテロッツィ墓地では、円錐形の屋根のある建物が墓廟で、地下に墓室があり、その多くに壁画があった。そして、墓室に骨壺を安置する壁龕があるもの、棺台らしきものがある墓室、石棺か骨壺を入れる長方形の穴が墓室の一角に掘られているなど多様だが、墓室は一室だけで、骨壺を安置する場所さえわからないものが多かった。『エトルリア文明...
View Articleタルクィニア考古博物館 石棺・陶棺
タルクィニアでエトルリア人のモンテロッツィの墓地を見学した時、入ってすぐに見えてきたのは骨壺を入れたポルチーニ茸のような形状の石製容器だった。骨壺を中に入れて埋納していたという。そしてかつては円錐形の墓が地上にあり、地下の墓室には壁画が描かれ、壁龕のようなところにこのような石製容器が安置されていたのだった。それなのに、タルクィニアの考古博物館で最初に見たものは石棺。これって遺骸が入っていたの?それと...
View Articleうめだスークで期間限定のKEISA&PASSO店
久しぶりに東洋陶磁美術館の竹工芸展を見に大阪へ(それについては後日)。そしてこの日が奇しくも田上惠美子氏がご子息の拓氏とのユニット、Keisaと津田美砂さんのブランドPassoとのコラボショップが阪急うめだ本店10階「うめだスーク」で開催される限定期間に、運良く重なっていた。スーク(アラビア語で市場、ペルシア語ではバーザール)というだけあって、10階フロアに一歩踏み入れると、お店が軒を連ねたスークの...
View Article渦巻く蔓草文はキリスト教美術にもイスラーム美術にも
蔓草文様は古代ギリシア時代、エピダウロスのトロス周柱廊の天井には、アカンサス唐草がはっきりと表されていた。その建立時期について『ギリシア美術紀行』は前360-320年、『CORINTHIA-ARGOLIDA』は前365-335年という。その後美しい蔓草文様は洗練されていくが、蔓草文様の中に人物や動物が入り込むことはなかった。後期クラシック期からヘレニズムへの移行期鹿狩り 前4世紀末...
View Article竹工芸名品展 インスタレーション
もう終了してしまったが、『フランス人がときめいた日本の美術館』という番組があった。その第39回が大分県立美術館で、<美しき竹工芸の宝箱 人間国宝...
View Articleアビー・コレクション竹工芸名品展 影を探して
東洋陶磁美術館の展示室は2階にある。階段を上がって右手の部屋から。いつも入口にパネルがあり、中が見えない。今回のものは、中に展示されている作品の部分的な写真が6枚縦に並べてある。これが作為的なものかどうか分からないが、老人の横顔に見えなくもない。洸 shining 1993年(日展の入選作品) 生野徳三...
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