ブルサのカプルジャ
ローマ時代、公衆浴場は蒸し風呂だったが、後1世紀になると大きな湯船のある浴場が造られるようになった。それについてはこちらしかしながら、ビザンティン帝国では蒸し風呂だったようで、その首都コンスタンティノープルを攻略してイスタンブールと名を変えた街では、ハマムとして単独で造られたり、モスクのキュッリエ(複合施設)の一つとして造られて、今でも使用されているところは多い。ハマムの構造ベヤズィットハマム文化博...
View Articleセリミエジャーミイ Selimiye Camii 複合施設の装飾
セリミエジャーミイについて『トルコ・イスラム建築』は、セリム二世(1566-74)は自身の名のキュッリエをエディルネに建設させた。1568年に工事が始まり、一応完成したのはセリム二世の死後の1575年のようである。建設地としてイスタンブルでなくエディルネを選んだのは、セリム自身がイスタンブルよりエディルネを好んでいたためであろうか。場所はエディルネの中心の高台で、バヤズィット一世が建てた宮殿の跡地で...
View Articleイスラームのステンドグラス4 エディルネカプ ミフリマースルタンジャーミイ
エディルネカプのミフリマースルタンジャーミイにもステンドグラスがあったのに、まとめるのを忘れていた。ミマールスィナンが建てたこのモスクは、四方に窓が並び(カーテン壁)、上方の窓もステンドグラスで飾られている。『トルコ・イスラム建築』は、碑文がないので建設年は明確でないが、1562-65年の間に建設されたらしいという。エディルネカプ ミフリマースルタンジャーミイ礼拝室...
View Articleエディルネ ユチュシェレフェリジャーミイの装飾
ユチュシェレフェリジャーミイは、4本のミナレットの文様がそれぞれ異なること、ミナレットのバルコニーの数も異なることという特色がある。平面図 『トルコ・イスラム建築紀行』より①モスクの正門 ②中庭 ③シャドゥルヴァン ④回廊 ⑤ソン・ジェマアト・イェリ(礼拝の時刻に遅れてきた人が祈る場) ⑥礼拝室正面入口 ⑦礼拝室主ドーム ⑧ミフラーブ ⑨主ドームを支える巨大支柱 ⑩礼拝室両脇のドーム...
View Articleエディルネ エスキジャーミイの装飾
エスキジャーミイ(1403-14)は驚くような文様で溢れていた。内部の九つの小ドーム 『トルコ・イスラム建築』より①礼拝室入口 ③ミフラーブ ④ミンバル(説教壇) ⑤ムアッズィン用マッフィル ⑦スルタンのマッフィルⓐ-ⓘ各ドームエディルネ エスキジャーミイ礼拝室平面図...
View Articleモスクに石の模様
エディルネのエスキジャーミイ(1403-14)を見学していて気がついた。アーチは赤石と白石を交互に配したものに見えたが、様々な岩石の模様を描いたものだった。創建当時は石材だったのだろうか?...
View Articleエディルネ ムラディエジャーミイのタイル
ムラディエジャーミイはエディルネ郊外の丘の上にある、コンスタンティノープルを征服したメフメト二世の父ムラト二世(1421-44、46-51)が1425-27年に建てた逆T字型モスクである。その内部はタイルと壁画で荘厳されていた。ミフラーブはムラト二世の父メフメト一世(在位1414-21)が建てたブルサのイェシルジャーミイ(1414-24)のようにタイルだけで造られている。建造年代が近いのでミフラーブ...
View Articleエディルネ ムラディエジャーミイの壁画
エディルネ、ムラディエジャーミイ 1425-27年ムラディエジャーミイキュッリエ(複合施設) Google Earth より①正門 ②シャドゥルヴァン(清めの泉亭) ③トイレ? ④モスクの柱廊(ソンジェマアトイェリ、礼拝の時刻に遅れてきた人が礼拝する場所) ⑥大ドーム ⑦ミフラーブのあるドーム...
View Articleエディルネ バヤズィットキュッリエにチャハール・イーワーン様式の影響
エディルネのバヤズィットキュッリエは、イスタンブールのベヤズィットジャーミイ(1500-06)より以前に建てられている。共通するのはタブハネがあることだ。バヤズィットジャーミイキュッリエの説明パネル①食品庫 ②台所 ③イマレット(救貧食堂) ④スルタンの門 ⑤カフェ・土産物屋 ⑥モスク ⑦タブハネ ⑧病院...
View Article大理石の板に植物文様を浮き彫りし、それに彩色するという装飾
エディルネ、エスキジャーミイ(1403-14)のミンバル(説教壇)は何とも不思議な装飾だった。これが何かが知りたくて調べてみたが全くわからなかった。その上検索して出てきた画像は反対側ばかりで、こちら側のとは全く違うのだった。制作年代が違うのだろうか。光の当たり形によってはかなり派手な色目で、植物文様の他には、幾何学的な組紐文に赤と緑のカリグラフィーが表された文様帯などがあった。大理石の板に木製の透彫...
View Articleシェフザーデジャーミィ Şehzade Camii の装飾
スレイマン大帝が自分の後継者にしたいと思っていたのに若くして亡くなってしまった皇子(シェフザーデ)メフメトのために建立したモスクには、時期的にイズニクタイルは少ないものの、様々な装飾で荘厳(しょうごん)されていた。その内の壁画か象嵌かよく分からないものが気になった。シェフザーデジャーミィ平面図及び断面図①モスク正門 ②中庭 ③シャドゥルヴァン ④回廊 ⑤礼拝室正面入口 ⑥ソン・ジェマアト・イェリ...
View Articleクルチアリパシャジャーミイのステンドグラス、イズニクタイルとキュンデカリ
クルチアリパシャジャーミイについて『Architect Sinan His Life, Works and Patrons』(以下『Architect...
View Articleトルコ三角形で架構したドーム
トルコ三角形とは、ペンデンティブやスキンチとは違った方法で正方形からドームを加工する方法の一つである。今回の旅でやっと見ることが叶った。トルコ三角形とはどんなものかというと、コンヤのアラアッディンジャーミイ Alaaddin Keykubad Camii (1220)の例...
View Article大シルクロード展 蠟纈・錦・綴織・刺繍
大シルクロード展にはカメラは持って行かず、スマホもしっかり充電せずに行ったら、何と「撮影可」だったので、電池がなくならない程度に写しながらの鑑賞となった。また、会場には作品だけでなく、上方に各地の大きな写真パネルがあって、今まで行ったところの風景が懐かしく、まだ見ぬ地へも誘われた。いつの日にか現地でその景色を眺めたいものだ。来館者もそれぞれにお気に入りの作品を撮影したりして楽しみながら見ておられて、...
View Article大シルクロード展染織編 連珠円文
今回の展覧会には連珠円文がたくさん展示されていて、書物でしか知らないものなどを実際に目にすることができた。連珠三日月文錦面覆 5-6世紀 絹、経錦、緯錦 縦31.0㎝、横30.0㎝ 中国絲綢博物館蔵『世界遺産...
View Article神戸どうぶつ王国にハシビロコウに会いに行く
ハシビロコウがいる神戸市の動物園といえば、子供ころに行ったことがある王子動物園だとずっと思っていたが、複数回ホームページを見てもハシビロコウのことは出てこなかった。それがある時ポートアイランドにできた動物王国にいることを知ったが、その内にコロナ禍に入ってしまい、やっとのことで行く機会があった。三宮から出ているポートライナーで計算科学センター駅下車。動物王国とは全く異次元の駅名に戸惑ったが、いろんな研...
View Article大シルクロード展 長安にソグド人の石堂
「世界遺産 大シルクロード展」の展示品で一番大きなものが「史君墓石堂」の複製品だった。原作は北周・大象2年(580)原作は石、彩色、金箔 高120.0㎝、幅240.0㎝、奥行97.0㎝原作は2003年陝西省西安市未央区大明宮郷井上村出土...
View Article田上惠美子氏の初夏の便りは「すきとおるいのち」
初夏というと爽やかな季節のはずが、すでに暑すぎる今日この頃、田上惠美子氏より目には涼しい「すきとおるいのち」の数々が鏤められた案内が届いた。京都の好文舎での個展だ。好文舍をGoogle Map...
View ArticleMIHO MUSEUM蔵棺床屏風
「世界遺産 大シルクロード展」に展示されていた「史君墓石堂」は西安で暮らしていたソグド人の墓だった。MIHO MUSEUMで度々見ていたのは棺床屏風と呼ばれるもので、同じソグド人でも墓の形式はそれぞれだ。棺床屏風 中国北部 北朝-隋時代 6世紀後半-7世紀前期 白大理石、顏料・金で着彩 浮彫パネル『MIHO MUSEUM...
View Articleカラアフメトパシャジャーミイ Kara Ahmet Paşa Camii の残念なステンドグラス
カラアフメトパシャジャーミイはパシャの没後、1559年に完成した、ミマールスィナンが建てた支柱が6本のモスクである。それについてはこちらこのモスクで奇妙なステンドグラスを見た。『Architect Sinan His Life, Works and...
View Article西安市安伽墓石棺床囲屏
「世界遺産 大シルクロード展」で中国に住み着いたソグド人の墓につくられた石堂(複製 北周 580年)をきっかけに、MIHO MUSEUM蔵棺床屏風や、太原虞弘墓出土の棺槨(隋 581-618)をみてきたので、今回は西安市未央区大明宮郷で発見された安伽墓出土の石棺牀について。安伽墓平面図・断面図 西安市出土...
View Article珪砂組の静止する液体ってどんなん?
「珪砂組 硝子展 静止する液体」という代官山での個展の案内が届いた。田上惠美子氏と拓氏のユニット珪砂組、個人でも、ユニットでも活躍されておりますなあ。料金別納郵便のところに陶磁器類が並んでいて、代官山GALLERYという画廊の雰囲気が出ていてええ感じ。石から生まれ炎の中で 固体と液体の間を行き来するガラス透過 屈折...
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